専門家インタビュー
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皆川 朋子氏 インタビュー
フェムテックの推進が企業の価値を生み出す2025/05/08 取材
一般社団法人Femtech Community Japan 代表理事
皆川 朋子氏
外資系ITコンサルティングや独立系コンサルティングファー厶執行役員などに従事した後、独立系VCに女性起業家支援などに尽力。Woman’sHearthに特化するグローバル製薬会社OrganonでWoman’sHearth事業の立ち上げや拡大に関わる。
フェムテック製品が進化し、以前より女性の健康問題について話せるように
日本では今、女性のウェルビーイングへの注目が高まっています。理由のひとつはキャリアを続ける女性の増加です。また女性の社会的地位が向上したことや、生理管理アプリ、スマートウォッチなどのフェムテック製品が進化して安価で手に入るようになり、以前より女性特有の健康課題について話がしやすい環境になったこともあげられます。高齢の方などいまでも人前で話すことに抵抗がありタブーと捉える方も多いですが、一方で若い世代を中心にアプリなどを通じてPMS※などパートナーの健康状態を日常的に理解している人たちも増えています。このような受け止め方のギャップがある中で、それでも女性が自信をもって社会に挑戦できるよう国も男女共同参画に女性版骨太の方針を打ち出し、フェムテックを推進しています。 ※PMS(premenstrual syndrome)は「月経前症候群」と訳され、月経の前に現れる心と体の不調を意味する
専門技術や知識が黎明期の今こそ、中小企業が取り組むチャンス
フェムテックはまだ潜在的な市場であり、製品づくりに関する技術や知識も発展段階です。だからこそ試行錯誤が必要であり、コンパクトなチームでPDCAサイクル※を回しつつ動ける中小企業にとっては取り組みやすい市場だと思います。またフェムテックに取り組むことをアピールできるのは、採用ブランディングにおいて効果的です。こうした価値を得ることは、企業としては大きなメリットです。
日本は社会保険が確立されているため、アメリカに比べて個人がヘルスケアにお金を使いません。企業がフェムテック市場で収益化をめざすには、「フェムテック製品に支払うお金は使う個人だけではない」という仕組みの構築が求められます。すでに大企業が福利厚生としてフェムテックを導入したり、産婦人科医師によるオンライン医療相談をサービスで受けられる自治体など、本人のみに金銭的負担をかけない仕組みが作られているケースもあります。
女性の健康に対する関心度は、地域やコミュニティによって差があります。東三河のように、各地方でフェムテックに取り組む企業がアンバサダーとなって、その地方に合ったプロモーションを行い、女性の健康課題を推進していくことで、お金に変えられない価値が生まれることでしょう。 ※Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとった業務改善に関するフレームワーク
フェムテックをツールにして男女がお互いを思いやれる社会に
日本はまだ「男性は、女性は」という性的な役割の認識が強いですが、今後は、ひとりひとりのライフスタイルに合わせてフレキシブルな働き方を取り入れていくことが求められます。実施すれば、企業は優秀な人材を確保でき、人にとっても会社にとっても良いサイクルに向かうことでしょう。
フェムテックは女性特有の健康の悩みに気づけるチャンスであり、そのギャップを埋めていく取り組みです。企業としてぜひ積極的に取り組んでほしいと思います。女性だけではなく男性にも健康課題はあります。フェムテックというツールを使いながら、男性も女性もオープンに話し合い、お互いに思いやれる職場や社会になっていくことを心より願っています。 -
ゴムノイナキ株式会社インタビュー
1世紀にわたるゴム技術を生かしたフェムテック2025/05/12 取材
ゴムノイナキ株式会社
名古屋に本社がある1919年創業の老舗ゴムメーカー。創業100年の節目に、社会的意義が高い自社製品を作るプロジェクトとして技術企画室(現:商品企画室)を発足。社会で活躍する女性に貢献しようと、生理用品の開発に取り組み、2023年に国産の月経カップ「feminak」を発売。
ゴムノイナキ株式会社
経営企画本部 商品企画室近藤 絵美氏
feminakの認知拡大に努める。
創業100周年の節目プロジェクトとして女性に貢献するものづくりに挑戦
月経カップ「feminak」の開発は、当社が100周年の節目を迎えた2019年、自社製品を作るプロジェクトとして始まりました。ちょうどフェムテックのムーブメントが起こり始めた時と重なり、当社のゴム技術を生かした月経カップの開発に取り組むことになったのです。
開発にあたってはまず、世界中から月経カップを集めることから始めました。形や素材、硬さなど多角的にデータを解析し、100個以上は試作を繰り返しました。当社は材料開発から設計、評価、試作まで社内で一貫して対応できます。自動車メーカーを中心とするゴム製品の供給で培った技術力と開発力が「feminak」の開発に役立ったと感じています。機能面やデザイン面を考慮し、認知度、使用感を高める
「feminak」の機能面の特徴は、シール性(経血の漏れにくさ)の高さにあります。女性は人によって膣の大きさや経血量が違います。またスポーツをよくする人や経産婦など、ライフスタイルやシーンによっても生理用品の使い方や仕様は変わります。これらについて綿密なリサーチを行い、他社製品も徹底的に研究しながら、ゴムの厚さも考慮しつつカップの空間の効率化を図りました。その結果、8種類の月経カップが誕生しました。
ナプキンがいらない吸水性ショーツなど、第3の生理用品は日本ではまだ使用度が低く、生理用品全体の約3%程度。特に月経カップは低いといわれます。やはり「使うのが怖い」と感じる人が多いようです。こうした恐怖感を払拭できるよう、パッケージデザインにも力を入れました。愛らしい花柄を施した箱に加え、使用後に洗った月経カップを乾燥させて清潔に保管ができるよう、ケースにも工夫を凝らしています。
ミーティングを重ねて作り込んでいった結果、女性の情緒に訴求できるものが完成したと思っています。社外モニターの方々からも「かわいい」「使ってみたら怖くなかった」と多くの感想をいただくことができました。
フェムケア製品の開発と販売を通じてさらに女性のウェルネスに貢献
フェムテック製品の開発によって、社内にも意識変化が起こっています。管理職は、生理痛体感デバイスによる生理痛体験会を行いました。また社内に「誰でも使えるトイレ」が設置され、女性生理用品の補助も行われるなど、会社として女性のウェルネスに対する理解を深めようと動き始めています。
今年の秋から冬にかけては自社でコンセプトを設計したデリケートゾーンの保湿製品やソープ、月経カップのクレンジングを販売する予定です。「100年ゴム屋の月経カップ」として女性の皆さんからの信頼を得た今、次はフェムケア製品で女性のウェルネスに貢献をしていきたいと考えています。 -
北 奈央子氏 インタビュー
フェムテックが地域の一体感を生む2025/1/18 取材
株式会社ジョコネ。代表取締役
NPO法人女性医療ネットワーク理事北 奈央子氏
愛知県豊橋市出身。早稲田大学理工学部卒業・修了(工学修士)。「医療・健康」「女性」「自分らしく」をキーワードに、医療者と一般をつなぐ女性のヘルスリテラシーの研究をスタート。女性の健康の悩みを解決に結びつけるために「徹底的に女性目線」で活動を行っている。
フェムテック分野での起業を思い立った30代
順調にキャリアを積んでいた30代半ば頃に婦人科系の病気をしたことが、自身の意識を変える大きな転機になりました。子宮内膜症を患い、診断を受けたときはかなり症状が進んでいることが判明。私は手術を選択し、その後子どもを授かることもできましたが、今までの生き方に課題を感じました。「自分の体のことなのに何も知らずに過ごしてきた」という反省です。
病気に罹ったのと、これからのキャリアを考えるタイミングが重なり会社を辞めました。そして起業しようと思い立ちます。その流れで「ヘルスリテラシー※」について学びたくなり、聖路加国際大大学院に進学。個人が知識を習得することの大切さに加え、社会環境の整備の重要性も感じました。いくら知識があって意識が高くても、環境が整っていなければ行動することができません。その気づきから、組織としてきちんとしたサービスの提供ができる会社を起業しようと思ったのです。 ※健康や医療に関する情報を得て活用する能力を意味する女性たちの熱い思いが東三河フェムテックを推進
東三河フェムテック産業推進事業※には最初から携わっていますが、関係者の皆様の熱量の高さにいつも驚かされます。事業のスタート時からずっとです。アクティブな姿を目にすると、本当にこの事業がこの地域に求められていることを実感できます。女性アドバイザーの方たちの中には、東京でフェムテックのイベントがあったときに、わざわざ豊橋から参加された方もいらっしゃいます。彼女たちから、自分が生まれ育った地域で活躍し貢献できる喜びがひしひしと伝わってくるのです。私も豊橋出身ですからその気持ちがうれしく、そしてよくわかります。
事業者の皆様の意欲も本当に高く、「フェムテック」という言葉に触れたのは初めての方もいらっしゃいましたが、いざ事業が始まれば勉強熱心で、試作品の提出も欠かしません。楽しそうに議論を重ねる様子から、すごくいい場が育成されているのを感じます。誰かにやらされているのではなく、チームで協力して新しいモノやサービスを生み出す場となっています。※東三河フェムテック産業推進事業では、地元企業と女性が協同しフェムテック新商品の企画・開発を進行中です
フェムテック産業を支える東三河の高いポテンシャル
フェムテック産業を支える豊かな資源が東三河には備わっています。山も海も川もある地形に恵まれ気候が穏やか。野菜や果物などが豊富に収穫でき、こうした食材を使った商品の開発に有利です。三河木綿を筆頭に繊維産業も古くから栄えています。繊維は、洋服や寝具など、フェムテックの中でもイノベーションを起こしやすい大事な領域です。
「農業」「産業」に加え、「人」のポテンシャルの高さも東三河の財産となっています。地元の女性たちの「東三河からフェムテックを発信したい」という思いが強く、フェムテック事業を推進する原動力となっています。大都市で行うより、地方都市の方が個人同士の結びつきが親密で、一体感があるのではと感じています。フェムテック事業は、女性たちが求めていた「つながりの場」であり「思いを叶える場」にもなっているのです。 -
向井 桃子氏 インタビュー
フェムテックが女性の人生を豊かにする2025/1/30 取材
株式会社Mona company
代表取締役向井 桃子氏
美容師や飲食店のマネージャーを経験。働きながら子育てをする中で月経について考えるようになり、月経ディスクに出会い企画・製造をスタート。2023年2月にインターネットで月経ディスク「MOLARA」の販売を開始。同年10月に日本起業アイディア実現プロジェクト「女性起業チャレンジ大賞」特別賞を受賞。
月経ディスクと出会い 多くの人に広めたいと起業
2人目の子を産んだ後から産後の出血量が多く、真夏はナプキンで過ごすと股が痒くて眠れない日が続きました。子育てが多忙でトイレにも思うように行けない状態だった私に夫がオーガニックナプキンを買ってきてくれて、今まで気になっていた嫌な匂いが気にならないことに驚きました。「娘が成長したら生理用品についてきちんと話せるようになりたい」と思い世界中の生理用品を試す中、友人から月経ディスクを教えてもらって。使ってみたらとても快適で、「もっと多くの人に知ってほしい」と起業を決意。コロナ禍で「インターネットで消耗品を販売する仕事をしたい」という気持ちもあり、拍車がかかりました。
製造にあたっては国内の多様なメーカーにコンタクトを取り続け、名古屋市にあるゴムノイナキ株式会社がタッグを組んでくれることになりました。それまで国内にはない製品だったので設備もいちから作ることになり、フィルムの加工に苦労しましたが、「作れない」という不安はまったくなかったです。SNSを使って認知拡大 多様な人々に役立つと実感
YouTubeの「令和の虎」に出演して資金調達を行い、2年半かけて月経ディスクを開発しましたが、今までにない生理用品だったので「怖い、痛そう」というイメージが先走ってしまい、認知拡大に苦労しました。メディアやイベント出店、インフルエンサーマーケティングなどいろいろな媒体でPRを行い、2000人以上にサンプリングもしましたが、TikTokライブは一番効果がありました。実際に使った人のコメントも認知の後押しにつながり、今では年間約20万人が月経ディスクを検索してくれています。
経血の量が多くて困っていた、という方からはもちろんのこと、視覚障害者の方からは「ナプキンがどの程度汚れているのかわからないが月経ディスクなら心配がない」、また寝たきりの女性からは「ナプキン交換を男性ヘルパーにお願いすることもあったが、月経ディスクなら交換頻度が少ないので女性ヘルパーのタイミングに合わせられる」という声が届き、さまざまな人たちに役立っていることを実感しています。
生理用品の知識を広めて女性が働きやすい環境へ
生理用品には多種多様な種類があるので、イメージに囚われず、まずはなんでも試して自分に合ったものを見つけてほしいと思います。何も試さずに悩み続けるのは時間がもったいない。自分に最適な生理用品が見つかることで、人生が劇的に変わると思います。
東三河はメーカーの工場が多く、女性も多く働いています。長時間座ったままで働く女性にとって、快適な生理用品は必須。こうした女性の声を聞くことで今よりもっといいフェムテック商品が開発できると思っています。私たちもこの地域の女性が自分らしく働き、輝ける環境づくりのお手伝いができればと考えています。そのために今後は、学校でセミナーも行いたいと思っています。生理の仕組みだけではなく、生理用品についてきちんと理解し、説明ができる女性を将来的に増やしていきたい。フェムテックに力を注ぐ東三河からこの活動を始めることができたら、とてもうれしいです。 -
森田 敦子氏 インタビュー
東三河発信のフェムテックが
日本の模範に2024/5/2 取材
株式会社サンルイ・
インターナッショナル
代表取締役
Waphyto ファウンダー森田 敦子氏
愛知県豊橋市出身、植物療法士。株式会社サンルイ・インターナッショナル代表。株式会社Waphyto代表。客室乗務員勤務時代に体を壊したことがきっかけでフランス国立パリ13大学で植物薬理学を学ぶ。女性のトータルライフケアブランド「Waphyto」を立ち上げ、フェムテックやフェムケアに関する活動を積極的に展開。
神秘的な女性の体の中にこそテクノロジーが存在する
本来、フェムテックとは女性の体に起こるさまざまな健康課題を解決するためにテクノロジーを活用することですが、私は、そもそもフェムテックとは、女性の体そのものにあると考えます。生理が始まり、排卵、受精、着床して子どもを宿し、その子を守るために自然と体調が変化する。こうした神秘的な女性の体の中にこそテクノロジーがあると思っています。
私はパリで薬草学を学んだ時、食欲や睡眠欲と並んで人間の本能のひとつである性科学について正しい知識を持つことが大切だと教わりました。海外とは違い日本では明治以降、女性が性について話したり、性欲があるというのははしたないことと考えられ、今も広く語られることはありません。小学校では子どもたちに対して性教育が行われますが、真髄がきちんと語られていないことが多いと感じています。思春期の女の子たちは性の悩みについてお母さんや先生には相談しづらい、と思っているのも現状です。
性は人間の尊厳であり、誕生につながる大切なことです。まずは将来のために、子どもたちに対して女性の体にあるテクノロジーをしっかりと教えてあげることが重要です。そのためには大人が自らの性について理解をすることが大切です。女性が自らの性を自覚し、女性目線でフェムテック開発へ
私の故郷である豊橋市は都市部へ流出する女性が多く、隣の新城市は愛知県内の消滅都市といわれています。何かを買いに行くのも地元ではなく都心へ行くという人も多いでしょう。しかし、こうした日常の買い物をするのはほぼ女性で、子どもやお年寄りなどの世話を通してあらゆる世代に精通する視点も持っています。そんな女性たちが中心になって「こんなフェムテック商品があったらより健康な暮らしができる」と企画し、企業が新規開発や製造をする仕組みができれば、もっと暮らしが豊かになると考えています。しかも日本人が丁寧に作ったフェムテック商品であれば、世界を席巻するようなものになるでしょう。
現代のように、多様性社会、また少子高齢化の中で、女性が活躍するためには高齢の方々にも大きく関係していきます。女性がまず自分を尊び、女性であることの強み、弱みもひっくるめて自尊心を持ち、“女性性”を自覚することが大切です。また社会全体で女性が活躍できる場を整え、サポートしていくことも欠かせません。
ポテンシャルが高い東三河からフェムテックのイノベーションを起こす
東三河は歴史があり、山も海もあって食べ物も豊か。人もとてもつつしまやかで優しく、すばらしくポテンシャルが高い地域です。東三河でフェムテック商品の開発や、フェムテックに取り組む産業が発展することは、日本全体の模範につながるでしょう。何より「東三河からフェムテックを発信したい」と言い出したのが地元の女性たちだということはとても心強いことです。フェムテックを一過性のものにはせず、国の課題である少子高齢化に役立つために、これから具体的な事案をつくり、東三河から新たな「和製フェムテック」のイノベーションを起こしていきたいと考えています。
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関口 由紀氏 インタビュー
各世代の課題に対応する
フェムテックが重要2024/5/22 取材
一般社団法人
日本フェムテック協会 代表理事関口 由紀氏
2005年4月に「横浜元町女性医療クリニックLUNA」を開設。2019年に婦人科・乳腺科と女性泌尿器科・美容皮膚科の2つのクリニックに統合。現女性医療クリニックLUNAグループ理事長。横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学講座 客員教授。日本フェムテック協会代表理事。
思春期から成熟期、更年期まで自分の「今」を認識することが大切
女性はそのライフステージによって女性特有の健康課題が異なります。まず思春期になると女性ホルモンの量が増加しますが、一気に増えるのではなく、不安定なアップダウンを繰り返しながら増加するため自律神経系やメンタルの問題が起こりやすくなります。成熟期になると乳房や子宮、卵巣および免疫、恒常性の問題が増え、更年期になるとホルモンはアップダウンしながら減少し、思春期類似の問題が起こります。さらに、特にポスト更年期はガンや動脈硬化性疾患に注意が必要な時期です。また女性ホルモンが減るので骨粗鬆症の問題も起こり、さらに70代前後からは認知症の問題も懸念されます。
こうした女性特有の健康課題に対応するには、自分が今、どの時期にいてどういうトラブルが起こりやすいか、情報を得ることが大切です。年老いても自分で身の回りのことができ、自己判断できる人でいるためにも、各世代別の課題に対する情報を得て正しいケアを行うことが重要です。企業や家庭のサポートのもとにフェムテックを活用しQOL※をアップ
女性の中には出産で仕事を辞める人や、更年期になって以前より仕事のパフォーマンスが下がったので退社を選ぶ、という人もいます。日本の企業にはこうしたことを許容する文化が残っているのも事実ですが、こうした症状は医療機関にかかることで改善し就業を続けることも可能になります。またこれら女性特有の問題に対する情報や技術としてフェムテックを活用し、セルフヘルプを行うことで女性のQOLと幸福度を上げることができます。それには企業をはじめ地域や国全体が関わり、出産や生理、更年期のトラブルをサポートできる体制が必要です。家族や会社の協力のもとにフェムテックが活用できれば、子育てや親の介護と仕事の両立は可能であり、女性として、社会人としての両方の喜びを得ることにつながります。また定年まで勤める女性が増えれば、企業の人手不足解消にもつながり、双方にとって有益です。 ※QOLとはQuality of Lifeの略で「人生の質」「生活の質」などと訳されます。
長期的な計画を視野に入れてフェムテック商品の開発を
フェムテックは今世界から注目されています。当然のごとく大手企業の参入も始まっていますが、まだまだ未熟な市場であり、すぐに大きな利益を上げられるとは言い難いでしょう。これからフェムテック市場に参入することを考える企業や団体は、ぜひ長期的な計画で女性のQOLと幸福度が上がるような開発に取り組んでいただきたいと思います。そうすれば、おのずとパートナーである男性の幸福度も上がることでしょう。また家庭でも、旦那さんが奥さんに協力するなど、バランスのよい環境を作ることができれば、女性も安心して子どもを生み育てることができます。女性も男性もよりよいところを認めあい協力しあえる共同社会の実現をめざして、フェムテックを開発し、また活用してもらいたいと思います。